SailFin情報
今日は、GlassFishではなく、SailFinについてご紹介したいと思います。
先日、日本エリクソンさんのイベントでも発表したのですが、
ちょっとした概要を説明します。
2007年5月にSunとEricssonはオープンソースの「GlassFishコミュニティ」上で、
「Communications Application Server」を構築するプロジェクト「SailFin」を
発表しました。
「プレスリリース」
http://www.sun.com/aboutsun/pr/2007-05/sunflash.20070508.5.xml
http://www.ericsson.com/ericsson/press/releases/20070508-1125135.shtml
Ericssonは元々IMS製品を出荷しており、その製品の中でJSR-116に準拠した
SIP(Session Initiation Protocol)Servlet Containerを彼らの製品中に
実装していました。そして、今回の発表によりそのSIP Servlet Containerの実装を
GlassFishコミュニティに寄贈していただく事になりました。
その後も、引き続きSunとEricssonで協力して
次世代の「Communications Application Server」を共同で構築中です。
現在では、SailFinの開発に対して、Sunのエンジニアの他、エリクソンのエンジニアも
約15名程フルタイムで、この新しいアプリケーションサーバの構築プロジェクトに
参加し日々開発を続けている状況です。
このSIP Servlet Containerを含むアプリケーションサーバは、
現在、プロモーションビルドとして下記より御試し頂く事ができます。
https://sailfin.dev.java.net/
そして、来月(2008年3月)にはベータ版がリリースされる予定です。
また、製品版は2008年6月頃にリリースされる予定です。
ここで、ちょっとプロモーションビルドをダウンロードして動作させてみました。
すると、下記のような管理画面が出力されます。
注意深くみてみて下さい!!(英語版ですが。)
なんと管理画面は、ほぼGlassFishの管理画面と同じではありませんか!!
SIP Container等の追加項目がありますが、Enterprise Application , Web Application,
Resources等はGlassFishと全く同じです。
そうなのです。SailFinはGlassFishを拡張しSIP Servlet Containerを統合した
アプリケーションサーバなのです。
つまり、GlassFishにできる事は、SailFinでもできます。
GlassFishの持つ機能の内の負荷分散や高可用性も当然実現できます。
それ以外の機能も御使用頂く事ができます。
また、内部的な話を少しすると、SIPのハンドリングはGrizzly上で実装されています。
下記の、Jean-Francoisのブログにも記載されているのですが、
たった2つのクラスを実装しただけで、Grizzly上でSIPを対応できるように
なったという事です。当然、Grizzly上に実装する事により、SIPメッセージを
TLSで暗号化して通信できるようになったりもします。
#ここでもGrizzlyフレームワークの素晴らしさが実証されてますね。
#いやぁ、改めてGrizzlyはすごいなぁ!!
http://weblogs.java.net/blog/jfarcand/archive/2007/11/supporting_the.html
Grizzly上で実装されたSIPプロトコル、御想像の通り非常にハイパフォーマンスに
なる事が予想されます。実際、開発者の中でもパフォーマンスに重点をおいて開発が進められて
いるようです。
さらに、NetBeans上でSIPサーブレットを作成できるようモジュールも
既に提供されております。これを使うとSIPサーブレットクラスの雛形が
簡単にできるようになりますし、NetBeansを使用するとConvergedな
アプリケーション(HTTP Servlet , SIP Servlet , EJB ,JDBCリソース、
JMSリソース、各種リソースを併用した)もかんたんに構築できるようになるかと思います。
まだ、製品リリースまでは若干時間がありますが、どのような製品に仕上がっているか、
是非試してみてください。
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