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GlassFish ドメイン管理の基本
さて、ブログサイトを移動して初エントリですが、実は昨年
GlassFish に関する本を出版するかもしれないということで、
出版用に書きためた物があります。それを、そのまま削除するのも
もったいないので、こちらに数回に分けて投稿する事にしました。
まず、はじめに GlassFish のドメイン管理を行う前に事前に準備します。
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ホスト名とインストール場所について
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アプリケーションサーバ実行ユーザの作成
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管理操作を容易にする環境変数の設定
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管理ツールの紹介
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管理コンソール
GUIの管理コンソールを使用してGlassFishの管理を行うことができます.管理コンソールは洗練されたデザインであるため,初めてGlassFishを扱うサーバ管理者も感覚的に管理操作ができるため非常に便利です.
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asadminコマンドユーティリティ
asadmin コマンドユーティリティは,GUIベースの管理コンソールが提供する管理機能のほとんどを行うことができる便利なユーティリティコマンドです.このコマンドを把握するとスクリプトを書いて管理の自動化を行ったり,ブラウザを開かずに管理ができるためちょっとした管理にもとても便利です.asadminユーティリティの使用方法は,–helpを付加して確認します.実行すると利用可能なコマンドの一覧を表示します.
dashost > asadmin –help
Administration Commands help(1)
NAME
help – displays the asadmin utility commands
SYNOPSIS
help [command_name]
command_name [–help | -?]さらに利用可能なコマンド一覧からコマンドを選択し,引数に–help をつけて実行して下さい.実行するとコマンドの詳細なマニュアルが表示されます.
dashost > asadmin create-domain –help
Administration Commands create-domain (1)
NAME
create-domain – creates a domain with the given name
SYNOPSIS
create-domain [–user user] [–passwordfile passwordfile]
[(–adminport port_number | –portbase portbase)]
[(–profile developer | cluster | enterprise ] –template domain_template)]
[–domaindir domain_directory/domains]
[–instanceport port_number] [–savemasterpassword=false]
[–domainproperties (name=value)[:name=value]*
]
[–savelogin=false] [–terse=false]
[–echo=false] [–interactive=true]
domain_nameまた,asadminユーティリティのコマンドの中でもget,setコマンドを使用すると現在設定されている内容の参照や更新ができます.下記の例ではアスタリスク(*)を指定し全ての設定情報を参照しています.また特定のプロパティに対してsetコマンドを実行し設定変更を行うことができます.
dashost > asadmin get “*”
dashost > asadmin set server-config.http-service.http-listener.admin-listener.server-name=dashost
server-config.http-service.http-listener.admin-listener.server-name = dashost
dashost > asadmin get server-config.http-service.http-listener.admin-listener.server-name
server-config.http-service.http-listener.admin-listener.server-name = dashost -
以降で紹介するホスト名は下記の通りです.それぞれのホストで実行するコマンドを区別するため,コマンド実行時はコマンドプロンプトを付加します.たとえば dashost > と記載されたコマンドはドメイン管理サーバ上で実行していることを意味します.
役割 | ホスト名 | コマンドプロンプト |
ドメイン管理サーバ | dasohst.japan.sun.com | dashost > |
ノードエージェント | nodeagent1.japan.sun.com | nodeagent1 > |
ノードエージェント | nodeagent2.japan.sun.com | nodeagent2 > |
認証局(CA)サーバ | ca-admin.sun.com | ca-server > |
ドメイン管理サーバ,ノードエージェントはそれぞれ下記のディレクトリにインストールします.
GlassFish のインストールは root 権限で行い,インストールしたライブラリ等は全て root 権限のままにします.
またドメインの実行や管理などは全て一般ユーザ (appserv) で行います.
/sun/glassfish-v2.1.1 |
認証局(CA)サーバはOpenSSL/0.9.8kを利用していますが,紙面の都合上認証局サーバの構築方法は省略します.
ドメイン管理サーバと全てのノードエージェント上で実行ユーザとグループを作成します。
# groupadd -g 300 appserv # useradd -u 300 -g appserv -d /export/home/appserv -s /bin/tcsh -m appserv 64 ブロック |
次に,アプリケーションサーバのデフォルトのドメインディレクトリパスを変更します.この変数を変更すると全てのドメイン管理は指定したディレクトリ配下で行われるようになります.ここで指定したディレクトリは実行ユーザ,実行グループで読み書きができるディレクトリでなければなりません.
# vi /sun/glassfish-v2.1.1/config/asenv.conf AS_DEF_DOMAINS_PATH=”/export/home/appserv/domains” |
上記で指定したディレクトリがない場合は作成してください.
dashost >cd /export/home/appserv dashost > mkdir domains dashost > ls -l 合計 2 drwxr-xr-x 2 appserv appserv 512 12 月 2日 20:48 domains |
あらかじめ環境変数に,管理者ユーザ名,パスワードなどを設定しておくことでコマンド入力引数を省略できます.下記の設定をドメイン管理サーバ,ノードエージェントの全てで設定してください.
sh 用環境変数の設定例
PATH=/sun/glassfish-v2.1.1/bin JAVA_HOME=/usr/jdk/jdk1.6.0_17 AS_HOME=/sun/glassfish-v2.1.1 AS_ADMIN_USER=clusterAdmin AS_ADMIN_PASSWORDFILE=~/.passwordfileAS_ADMIN_HOST=dashost.japan.sun.com AS_ADMIN_PORT=5048 |
csh 用環境変数の設定例
set path=(/sun/glassfish-v2.1.1/bin $path) setenv JAVA_HOME /usr/jdk/jdk1.6.0_17 setenv AS_HOME /sun/glassfish-v2.1.1 setenv AS_ADMIN_USER clusterAdmin setenv AS_ADMIN_PASSWORDFILE ~/.passwordfile setenv AS_ADMIN_HOST dashost.japan.sun.com setenv AS_ADMIN_PORT 5048 |
AS_ADMIN_PASSWORDFILE で指定するパスワードファイルは任意の場所に置くことができます.パスワードファイルには高い機密性を要する情報が含まれるため,ファイルを隠しファイルにしたり,パーミッションを読み込み可能モードにするなどして管理に十分注意してください.
パスワードファイル中に記載する AS_ADMIN_PASSWORD は管理サーバにログインする際に使用するパスワードを指定します。また AS_ADMIN_MASTERPASSWORD には SSL のサーバ証明書や認証局証明書を扱う,証明書データベースを操作するために必要なパスワードを指定します.GlassFish はドメインを作成時,自動的で設定ディレクトリ配下に自己署名証明書(ニックネーム:s1as)を作成します.証明書データベースを操作する際にこのパスワードが必要になります.
~/.passwordfile の内容
AS_ADMIN_PASSWORD=adminadmin AS_ADMIN_MASTERPASSWORD=changeit |
SDC 連載記事のアーカイブ
以前、GlassFish に関する連載記事を弊社 SDC(sdc.sun.co.jp)のサイトで
行っていましたが、SDC のサイトが何らかの障害?閉鎖?で
アクセスできなくなっておりました。
以前、連載記事のバックアップをしていましたので、
こちらから連載記事をまとめてダウンロードできるようにいたしました。
(若干体裁はずれていますが、内容や画像はそのまま確認できるかと思います。)
jar 版と、tgz 版それぞれ用意いたしましたので、ご希望に応じて
入手してください。
jar アーカイブ版
tgz アーカイブ版
上記ファイルに含まれる連載のコンテンツは下記の通りです。
第1回:導入編
第2回:アプリケーションサーバの管理の基本
第2回:アプリケーションサーバの管理の基本 アップデート情報
第3回:クラスタと負荷分散 (1)
第4回:クラスタと負荷分散 (2)
第5回:インメモリリプリケーションによる高可用性の実現方法
訂正:確認した所すべてのコンテンツは下記に移されておりました。 移動先へのリンク |

(伊豆下田)

(箱根の夕暮れ)