Archive for 2016年7月8日
Java EE Guardians に対する現時点での最新情報の共有
Java EE Guardians に対する現時点での最新情報を共有いたします。結論から申し上げますと、現時点(2016/07/07)での最新の情報は下記の記事になります。
- The Register:Oracle says it is ‘committed’ to Java EE 8 – amid claims it quietly axed future development
- Java EE Guardians:Oracle Issues Statement on Java EE 8
それ以外の情報はすでに古い情報、もしくは憶測を元に記載されている記事になっていますので、上記記事をご覧ください。おそらく、最新情報をまだご存知ない方が、古い情報を元に SNS で色々と発言されていましたので、整理のために本エントリを記載しました。
これまでの経緯を時系列で
Java EE Guardians の呼びかけの元、世界の Java コミュニティや開発者がJava EE や Java のエコシステムに対する不安、懸念を表明しました。また、日本 Java ユーザ・グループも上記活動に賛同し、私のブログでも取り上げ、日本の Java 開発者の皆様に現状を共有いたしました。
2016/6/14
日本 Java ユーザグループ:Java EE Guardiansへの支援表明と活動紹介
寺田佳央のブログ:Java EE Guardians への参加について
これをきっかけに、日本のオンライン・メディアでも取り上げていただき、日本の開発者の皆様にもこの内容が広まっていきました。
2016/6/15
翔泳社 CodeZine:日本Javaユーザーグループ、Java EE仕様策定プロセスの移管をOracleに求める世界的な活動への支援を表明
2016/6/16
Publickey:遅延しているJava EEの前進を訴える「Java EE Guardians」、日本Javaユーザグループが支援を発表
2016/7/1 の海外の記事
Ars Technica:How Oracle’s business as usual is threatening to kill Java
2016/7/4 (7/1 の Ars Technica の記事がベース)
マイナビニュース:Oracle、Java EEから手を引く可能性も
2016/7/5
buinessnewsline:Oralce: Jave EEの開発終息の見通し
※こちらの記事は、誤りがとても多い記事でした。
間違い1:Java -> Jave
間違い2:移動に応じなかった James Gosling が今年 3月やめた -> 2010 年に辞めてます。そもそも、James は Java EE チームではない。
2016/7/6 (7/1 の Ars Technica の記事がベース)
ZDNet Japan:Java EEの開発が停滞?–オラクルの不透明な態度にコミュニティーが不信感
※こちらも記事に誤りがあります。
間違い:Java EE Guardiansは既存のJava EEのAPIは一切使用せず、ゼロからAPIを作り直すことだとしている。ー> Java EE Guardians は変わりのフレームワークを作るとは言ってない。
7/6 の時点で、オラクルからの見解が一切でなかったため、不安もあり煽り記事のような内容もあったように思います。そのような状況の中で、下記のニュースが公開されました。そして現時点ではこの記事が最新の情報になります。
2016/7/7
The Register:Oracle says it is ‘committed’ to Java EE 8 – amid claims it quietly axed future development
詳しくは、上記記事の全文をご覧いただきたいのですが、一部抜粋してみます。
The Redwood City titan said it will present fresh plans for the future of Java EE 8 at its JavaOne conference in San Francisco in September.
Oracle (Redwood シティーの巨大企業) は Java EE 8 に関する新しい計画を今年の9月に開催される JavaOne サンフランシスコで明らかにすると述べました。
“Oracle is committed to Java and has a very well defined proposal for the next version of the Java EE specification – Java EE 8 – that will support developers as they seek to build new applications that are designed using micro-services on large-scale distributed computing and container-based environments on the Cloud,” said Moeller.
また、Oracle スポークスマン Mike Moeller によると、次のように述べています。Oracle は Java に対してコミットしており、次の Java EE 8 に対して、新しい良い提案材料を持っています。具体的には、開発者は現在、クラウド上で大規模スケールが可能なコンテナベースの分散コンピュータで、マイクロ・サービスを利用したアプリケーションの開発ができるフレームワークをを求めています。
“Oracle is working closely with key partners in the Java community to finalize the proposal and will share the full details with the broader Java community at JavaOne in September.”
そして現在、オラクルは、Java コミュニティ内の主要なパートナーと密接に連携し、これを実現するための提案をまとめようとしています。そして今年の 9月の JavaOne で開発者の皆様に詳細な情報を共有するでしょう。
寺田の見解:
現時点では単独メディアに対する取材記事であり、内部でどのような動きがあるのかは我々にはわかりません。そこで、引き続きオラクルの動向には注意を払いたい所ですが、上記が真実とするならば、今年の 9月の JavaOne サンフランシスコで何らかの発表がなされるかと思います。6/14 の時点に比べると、Java EE の将来に少しでも光が見え始めてきているのかと期待したい所ですが、今は JavaOne SanFrancisco の発表を静かに待つことが必要ではないかと思います。
日本で 2 人目の Java Champion になりました
2016 年 7 月 1 日、 櫻庭祐一 さんに続いて、日本で 2 人目の Java Champion になりました。Java Champion のコミュニティ・サイトにも正式に、下記の通り名前が記載されました。
Java Champion は現在、世界で約 400 名位存在します。
※ Java Champion の bio 一覧はこちら
Java Champion になるためには、こちらに記載されている基準に従い、既存の Java Champion からのノミネーションと、他の Champion からの投票結果により可否がきまります。
※ Microsoft MVP の場合、Microsoft が承認しますが、Java Champion の場合は既存の Champion が選考します。
基準を一部抜粋します。
- Java Champions are leaders
- Java Champions are technical luminaries
- Java Champions are independent-minded and credible
- Java Champions are involved with some really cool applications of Java
Technology or some humanitarian or educational effort. - Java Champions are able to evangelize or influence other developers
今回、私は Sun Microsystems 時代からエバンジェリスト仲間として大変お世話になった、Arun Gupta 氏 (現 Couchbase で Developer Advocacy の VP) にノミネートいただき投票結果の末なることができました。
Microsoft の社員としては、おそらく Neal Gafter 氏 (Java SE の元開発者 & Java Puzzlers の著者としても有名 ) に次ぐ2人目?!ではないかと思います。
「ご参考:InfoQ : Javaの未来についてのNeal Gafter氏とのディスカッション」
現在、Neal 氏は Visual Studio の開発を中心にご担当されていらっしゃいますので、Microsoft で Java の情報発信をしている社員(エバンジェリスト)が Java Champion になるのは、おそらく私が初めてではないかと思います。
日本の櫻庭祐一さんをはじめ、世界の名だたる先輩 Java Champion の名を汚さないように、New Java Champion として今後も継続して Java を応援しながらコミュニティ活動を継続したいと思います。そして、マイクロソフトの Java エバンジェリストとして、クラウド環境 (Microsoft Azure) における Java の活用で、開発者の皆様に有益な情報をお届けるように今後も精進していきたいと思います。
皆様、ぜひ今後ともどうぞよろしくお願いします。